
好きな物を食べることが出来ない苦しみを、どのように表現しようか。
いうなれば、好きな女にふられた挙句、その子が自分の友達と付き合ってたことが分かったような感じ。
甘く切ないどころの騒ぎではない。
もう女なんか好きになるもんか!!
かといって男を好きになるわけにもいかないが「あぁ~もう恋などしないぃ~♪」(矢沢永吉・夏の終わり)みたいに胸が締め付けられ、喉の奥から酸っぱいものが出てくるような気がする。
「心ってどこにあるの?」とハンバーグに話しかけたりするのもこんな時である。
結局のところ、嘔吐・下痢が牡蠣のせいとは信じがたく、最初に当選して以来4度チャレンジして4度当選したから、へぼ政治家が羨ましがったとか。
こうなると、さすがに口にすることは出来ない。
我が家の食卓からは牡蠣が消え去った。
そんな先週のこと。
フェイスブックで知り合った皆さんと新年会へ参加してきた。
会場は魚類を食べさせてくれるお店で、ネコ並みに魚にかじりつくオレにはピッタリの店。
少し遅れて会場入りすると、奥の席に案内された。
初めましてや、お久しぶりの人まで約30名の参加者がいて大賑わい。
すでに楽しそうに出来上がっている席を後目に連れていかれたのは「VIP席」という名の離れ。
同じテーブルには男ばかり。
あちらの席では女子が満載で、空気がピンクかバラ色のように見えるが、オレらの席は限りなく黒に近いグレー。
もうこうなったら、飲んで食うしかない!!
ジョッキの底が抜けたようなペースでビールを流し込んでいると、目の前に殻付き牡蠣が出て来た。
さて、これを食うべきか食わざるべきか、それが問題である。
嘔吐・下痢・鼻水・涙が頭をよぎるが、ええ~い!!かまうことあるもんか!!
思い切って放り込むと瀬戸内海の潮の味が広がる。
やっぱ美味い!!
一口食べると後は勢いで人の分まで横取りして、結局3つも胃袋に放り込んだ。
さて、その後が問題であるが、結論をいうと何ともなかった。
腹が多少グルグルしたとこはあるが、嘔吐がないだけ平気。
さぁ、この嬉しさをどう表現しようか!
悪さをした挙句、刑務所に放り込まれたものの、見事脱走に成功し、空き巣に入った民家でビールにありつけたような感覚といえば分かり易いかも。
大好きやった女とよりを戻した錯覚に陥った。
猛烈な恋をした挙句ふられて失恋したが、時計の針がお互いの溝を埋めて再び距離が縮まる。
「もう二度とお前を離さないよハニー!」
以上のようなことがあった先日、家のホットプレートで牡蠣を焼いて食べることにした。
さすがに生はちょっと怖いので、ベーコンに巻いて戴くとこれがまた美味としか言いようがない。
一切れ二切れと箸が進むと止まらなくなる・・・フフフ若気の至りよフフフ
結局、スーパーで売ってた牡蠣を一人で食ってしまった。
さて次の日。やはり腹具合が悪い。
トイレに駆け込むこと3回。
それでも当選したほどの問題はなく、オレと牡蠣の関係はこうして修復されたのであった。

一目ぼれした相手と、こんなロマンスが出来たらスリリングかもね!
これ、小説のテーマに出来そうな気がしてきたよ。