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雨と棺と胸ポケット

山陽自動車道を東へ、ひたすらアクセルを踏み込む。

岡山・兵庫・大阪を過ぎると奈良方面に進路を変える。

いくつかの山を越えるとそれまで晴れていた空は暗雲が覆い、車のフロントガラスを叩きつけるような雨が降り出した。

ワイパーをせわしなく動かしながら、母に逢うため3年振りに故郷へと走らせた。

約500キロを走り抜け、目的地に着く。

3年振りに出会った母の顔は、棺の中で笑っているようにみえた。


いつかこんな日が来ることは覚悟をしていた積りである。

それでも、現実を目の前にすると激しく動揺しうろたえる自分がいた。

我々兄弟にとって、尊敬し敬愛し、それは最後の砦であり、柱であった。

心の支えが外れたように、目の前が暗くなった。


生前、口癖のように「お前らの世話にはならへん!!」と言ってたが、それを実行するようにあっけなく一人で旅立ってしまった。

せめて、さよならくらい言わせてくれよ!!

オレらの想いを知ってか知らずか、本人の意志通りの最後を迎え父の元へ行ってしまった。


通夜・本葬は粛々を進む。

家族葬と言うこともあり、親族だけで済ます葬儀にも、どこで聞きつけたのか大勢の列席者に囲まれる。

棺を送り出す時もやはり雨。

天からの雨は肩を濡らし、顔は涙で濡れ、あまりにも偉大で優しかった母は小さな骨壺に収まってしまった。

火葬が済んだ時には、雨も止んでかすかに青空が見えていた。



吹奏楽コンクールを間近に控えていた娘。

この時期に練習を抜けるのは大きなハンデになるが、こればかりは仕方ない。

来年こそは母を演奏会に招待しようね。
そんな願いも果たせなくなった。

いつか娘の演奏を聴かせてあげたい。
孫の成長した姿を見せてあげたい。

火葬場でそんな話しをしていたところ、娘が指の骨を拾ってきた。

それを包んでケースに入れて、胸ポケットに収めた。

「これで、おばあちゃんいつでも私の演奏を聴けるよ」

「コンクールの日もおばあちゃんと一緒に出るね」

今日がそのコンクール当日になる。

きっと娘の胸ポケットで、その音色を聴きながら、微笑んでくれていることと思う。

広島ブログ
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