あなたが交通事故に遭ったと仮定しよう。
首から頭にかけて痛みが走り、病院で診察を受けた結果「外傷性頚部症候群」いわゆるむち打ちと診断された。
事故直後は安静にして、2週間程度は処方された薬を服用しながら、痛んだ筋肉の回復に努める。
それが過ぎたら次は、リハビリで機能回復の段階に入る。
思うように回復しないと、病院のリハビリの他に、整体やカイロプラクテックを試す人もいるかも知れない。
事故後180日を過ぎると「症状固定」の診断を受けることができる。
症状固定とは、これ以上治療を続けても治療効果が見込めない場合、医師が判断することである。
この時、後遺障害診断書を書いてもらい、自賠責保険に提出する。
受け取った自賠責(国)は、診断書をもとに後遺障害の等級を決める。
この等級が、損害額確定の基準になる。
後遺障害と言っても1級~14級まであるので、その中で認定されたらそれなりの賠償金が払ってもらえる。
むち打ちで多く認められるのが、14級と12級である。
たった2級の違いであるが、その賠償額には大きな開きがあることを覚えておいてもらいたい。
事故後から首の痛みが取れない。
頭痛が続く。指の先が痺れる等はむち打ちの特徴で、これを自覚症状ではなく、他覚所見で証明できれば、12級に認定されて賠償金も増える。
ここで必要なのが、それに応じた検査と医師の診断書になる。
これがないと、いくら痛い、辛いを訴えても相手にされない。
そして、問題なのが、リハビリをせずに整体やカイロばかりに行っていると、医師が経過を掴めない場合があり、適切な診断書を書けない事態がおこる。
これは、決して東洋医学を否定しているのではない。
オレの弟も、整体師をやっているので、それは分かるが、「診断書は医師でないと書けない」点がある。
その診断書や、通院記録を元にして、後遺障害の認定をするので、整体に偏って通院リハビリを怠っていると、認められるものも認められないことが起こりうる。
それは、まっとうな損害賠償金をもらえない形で自分に跳ね返ってくるのである。
ポイントは
○事故に遭ったらなるべく早く事故の怪我を得意とする専門医を受診すること。
○医師との信頼関係を築くこと。
○極端に東洋医学に頼らず、バランスよく受診すること。
何度も書くが、東洋医学を否定するものではないが、
損害賠償に必要な診断書は西洋医学の医師でないと書けない点は覚えておいてもらいたい。
以上、本日のミニミニ講座でした。
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