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報われたもの・中編

破産申立てをしてから、数ヶ月経つと裁判所から「免責許可決定」の知らせがくる。
これが官報に掲載されて2週間以内に債権者からの異議申し立てがないと晴れて免責が確定する。

免責が確定するまではいかなる債権者にもビタ一文払ってはいけないが、確定後は任意で払うのはかまわない。

例えば、連帯保証人がついている債務は主債務者が債務不履行になれば当然保証人に請求が行く。

借金で首が廻らなくなったとして連帯保証人に友人や身内がなっている場合、保証人に迷惑がかかるので整理に踏み切れない人もいる。

債権者の平等で考えると誰にも返してはいけないことになっているが、連帯保証がついている債務だけはこっそり自分で払う人もいる。
それは人情として理解できるが、免責が確定するまではくれぐれも裁判所にバレないようにしなければいけない。




破産申立てと同時に結局Aさんはお店を閉めてやり直すことにした。
決して若くないAさんであったが幸いなことに仕事が見つかった。

給与所得者の方には理解しにくいと思うが自営業を経験したことがある人は、毎月決まった日に口座にお金が振り込まれるのがとても有難く感じるときがある。

金額の多い少ないは別にして、通帳記入するまで安心出来ないことが沢山ある。
実際オレも請求書を出すのに配達証明で出したこともあった。

何でそんなお金のかかる面倒臭いことをする必要があるのかといえば「請求書なんてもらっていない」と言い訳をさせないためである。

自分にそんな経験があるのでAさんの気持ちもよく分かった。

口座にはビックリするほどの少ない金額しか入金されてなかったが、全ての借金の返済義務がなくなったことでAさんの生活は少しずつ立ち直ってきた。

しかし、ひとつだけ気がかりなのは取引があった仕入先のこと。

破産する意向を伝えたときに罵声を浴びせられそのまま足が遠ざかっていた。

あれから数ヶ月経って無事に免責が確定したある日。
Aさんは「この仕入先にだけは返済しよう」と思ったらしい。

Aさんと仕入先の関係は詳しく知らないが、単なる取引先だけの間柄ではなかったようであった。

そして、生活も落ち着いた頃の給料日に夕方銀行で数千円のお金を降ろし封筒に入れて元仕入先に自転車を向けた。

「また酷いことを言われるのではないか?」との思いもよぎったらしいが一旦腹をくくった人間ってのは強いものである。

封筒に入れた数千円は踏み倒した金額にははるかに届かないが、それでもAさんはピン札を入れた封筒を持って元仕入先を訪ねた。

明日も続く。

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