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銀蔵ラブロマンス劇場・最終編

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「どうしたのこんな時間に?上がる?」


肩をすくめて笑った彼女はそう言った。


「ううん、ここで」

首を横に振りながら答える。

そして後ろ手に隠し持っていた花束を彼女の前に差し出した。


「これ受け取ってくれる」


「ありがとう・・・でもどうして?」


その返事には答えず、受け取ろうとした彼女の手を引き寄せてそのまま肩を抱きすくめた。


どれくらいの時間、彼女の背中に手をまわしていたのだろうか。


我にかえり、花束を彼女の手に押し付け、やっとの思いで言葉が出た。


「聞いたよ。結婚するらしいね」


遠くで路面電車の走る音が聞こえた。


「ごめんね、黙っているつもりはなかったけど・・・言い出せなくて・・・」


視線を下に向けたまま、震える声がそう呟いた。




共通の知人から「あの人、結婚するらしいよ」と聞かされたのは知り合ってから随分あとのこと。


聞いた瞬間、暗黒が世界を覆いつくすような錯覚に囚われた。


救いといえば、オレと知り合う前から決まっていたと言うことだけ。


しかし、何の慰めにもならなかった。


こんなシーンに遭遇して男が執る道は?


サウンド・オブ・サイレンスをバックにしながら、映画「卒業」の主役を演じるか。


もう一つはモロッコの首都「カサブランカ」を舞台にした主人公ボガードになりきるか。


オレは後者を選んだ。


精一杯強がって、思いっきりクールに決めよう。


道化師の役で、主演男優賞を目指すことに決めたのであった。





「ねぇ、聞いて」


そう訴えかける彼女を制して、オレは一歩二歩と後ろに下がる。


廊下に出てエレベータホールに足を進める間、彼女は後ろについてきていた。


エレベーターはオレが降りた時と同じようにその階で待っている。


窮屈な箱に乗りこんで、彼女の目をみたまま1階のボタンを押す。


ドアが閉まり、彼女の姿も見えなくなった。


外に出ると、先ほどまで小ぶりだった雨は、盛大なビートを刻んで世界を濡らしていた。


傘は持っていない。


仕方なく一人で歩き出す。


もう2度と彼女の部屋を見上げることはない。


歩き出すと、雨が体温を奪い去って行く。


同時に、彼女の残り香まで流していった。






銀蔵ラブロマンス劇場、これにて閉幕。


このシリーズは「フィクション」である。
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No title

うーん。
面白い。
本当にフィクションなんですか?
秘密の暴露が多数あって真実のような気が(笑)。
最後の1行は「そこで目覚ましが鳴って目が覚めた」を予想していたのですが・・・。

もみじ日記さんへ

本当にフィクションか・・・については黙秘権を行使しますww

最後の一行ですが、この前文章の勉強をしたときに「最後の一行を書かずに読み手に想像させる」というのを教わりましたよ。

楽しんで頂けて何よりです!!

せつない・・・

なんだか、そんなことあるような~ないような~♪って・・・。
現実だったら、その先はないような気がしますが、ラブロマンス劇場だから、続きをいつかお願いします。期待してます(●^o^●)

涙が。。

ハッピーエンドを予想していたのにv-12
違ってましたね。
でも、素敵なラストでした。
楽しかったですよ、この3日間。
ぜひ、次も待ってま~~す

No title

銀chan どうしたの?

なぜに ≪フィクション≫のラブロマンス?

≪フィクション≫の前に≪ノン≫忘れた??

くりき妻さんへ

そうでしょそうでしょ!!

あるような、ないような、あったら切ない物語かもね~

次があるのかどうか、今のところは不明ですが、ラブロマンス劇場はシリーズにしたいですね☆

上杉薬局さんへ

ハッピーエンドを期待してました??

最後を読まれなかったので、作戦成功ですよww

楽しんで読んで頂けて何よりです!!

次は何を書いて、上杉さんを泣かせようかなぁ~(・・

ひめちゃんへ

間違えてないぞ~

これは「フィクション」なのである!

ノンは忘れていないのである!

まっそこらへんは深く考えずに、読み物として読んでね~

No title

このコンパクトさと、早い展開と、最後はどちらかしかない! どっち!? どっち!!
っていう強引さが強力な吸引力になってますよね^^ さすがでございます^^


数多ある、世界中の恋愛小説、じつは、たったひとつの作品の枝葉なんだと、誰かが言ってました。
う~ん。なるほど。↑拝読して思い出しました。


「ロミオとジュリエット」ですって♪

銀sanがラブロマンスだなんて
私やよっちママsanの恋ばな的なオチがあると踏んでたのに
普通にラブロマンスしてるよ~(((・・;)

どうしたの 銀san
変なモノ食べちゃった?
薬草味の飴とか

茜紫さんへ

コンパクトさと展開の速さに目がいくとろこなんてさすがですね!!

やっぱ、物書きさんの視点は違いますよ。

茜紫さんと知り合えてつくずくそう感じております!!

ロミオとジュリエットですか・・・

納得ですね!!!

さいこちゃんへ

あっ!!例のアメまだ食べてないわ・。・

試食してレポート書かんとね!!!

オレにもロマンスが書けることが分かったかね@@??

これにオチなんかつけたら文章力はおろか、構成力まで疑われるから、真っ向勝負よ!

さぁ~さいこちゃんもダイエットなんか止めて沢山食べて沢山恋してね!!へへへ

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